資料づくりの読みもの
カスハラ対策ポスターに何を書く?掲示前に決める6項目
カスハラ対策ポスターには、控えてほしい行為と、ご意見を伝える窓口を載せます。社内マニュアルをそのまま縮めると文字が多くなり、肝心のお願いが埋もれます。読む人と掲示場所を決めてから、次の6項目を確認してください。
出典確認日:2026年9月7日
最初に、誰がどこで読むかを決める
病院の待合室では座って読む人が多く、スーパーのレジや店の入口では、歩きながら目を向ける人もいます。同じ原稿をどこにでも貼るのではなく、まず場所を決めます。見出しは離れていても読める大きさにし、本文はその場で読める量に絞ります。
お客様・利用者向けのお願いと、職員向けの連絡先は別の資料にします。外向けのポスターに職員専用の電話番号や相談先を混ぜず、それぞれの読む人に必要な情報を載せます。
- 病院・介護施設:待合室、面会受付
- 小売・飲食:入口、レジ、会計付近
- ホテル・旅館:ロビー、フロント
- 美容室:受付、待合、会計スペース
- 不動産会社:入口、相談カウンター、応接スペース
お願いと通常のご意見窓口を分ける
職員への配慮をお願いする文章だけを大きく載せると、商品やサービスへの正当な意見まで拒んでいるように読まれることがあります。そこで、ポスターの中に「商品・サービスについてのお問い合わせ」「診療・接遇についてのご意見」など、通常の申入れを受ける窓口を別の見出しで置きます。
お願いと問い合わせ先は、色や囲みだけに頼らず、見出しの言葉でも分けます。たとえば「職員への言動についてのお願い」と「サービスについてのお問い合わせ」のように、役割が分かる名前を付けます。
行為例は自社・自施設で確認したものに絞る
公的なマニュアルには、暴言や威圧、長時間の拘束、執拗な要求、性的な言動などの例があります。その中から、自社・自施設の方針に沿って掲示する内容を選びます。受付なら窓口での言動、訪問サービスなら訪問先での言動と、使う場面に合わせて絞ります。
受付や店頭のポスターは、詳しい判断基準を説明する場所には向きません。長い基準や例外条件がある場合は社内文書で管理し、外向けの掲示では、来訪者へ伝えたいお願いを短く示します。
発信者と問い合わせ先を曖昧にしない
ポスターには、会社名・施設名・店舗名を読める大きさで載せます。誰からのお願いかを明確にするためです。複数拠点で使うなら、本文は共通にし、名称と連絡先を拠点ごとに差し替える形にすると更新が楽です。
問い合わせ先も「担当者まで」で終わらせず、来訪者が実際に使える名称を確認します。電話番号やメールアドレスを公開しない方針なら、「受付へお申し出ください」など、組織内で決めた案内に置き換えます。
職員の連絡手順は別のカードや図へ分ける
お客様向けポスターの役割は、方針と窓口を伝えることです。現場の職員が誰を呼ぶか、責任者がどこへ引き継ぐかまで外向けの掲示へ載せる必要はありません。職員用のカードやバックヤードの図へ分けると、公開情報と内部連絡を整理できます。
職員カードには、日中・時間外の連絡先、責任者が不在のときの次の連絡先、連絡時に伝える項目を載せます。引継ぎ図には、現場から責任者、本部や法人担当へつなぐ順番と、組織で決めた記録先を載せます。判断基準そのものは、組織の正式な文書で管理します。
無料資料を使う場合は利用条件と空欄を確認する
まずは厚生労働省や業界団体の無料資料を確認してください。伝えたいお願いと掲載内容が合えば、その資料を使えます。自社の連絡先を入れる欄があるかも見ておくと、追加で作るものを絞れます。
確認したいのは、利用できる対象、出典表記、編集の可否、営利目的利用の扱い、相談窓口などを書き込む欄の有無です。ダウンロードできることと、自由に改変・再配布できることは同じではありません。条件は配布元の最新ページで確認してください。
掲示前の確認リスト
掲示する前に、実際の場所へ置いて文字を読んでみてください。会社名、お願い、ご意見窓口がすぐに見つかるかを確認します。職員の連絡手順まで入っているなら、カードや社内掲示へ分けます。
- 読む人が、お客様・利用者など一つの対象に定まっている
- 掲示場所から、読める文字量と大きさを決めている
- 掲載する行為例を自社・自施設で確認している
- 商品・サービスへの通常のご意見窓口を分けている
- 会社名・施設名・店舗名など、発信者が分かる
- 職員の連絡先や内部手順を、外向け掲示と分けている
- 無料資料を使う場合は、公開元の利用条件を確認している
- 複数拠点で差し替える名称・連絡先を一覧にしている